溶剤の毒性
溶剤の危険性には,ー般に麻酔作用などを呈し,しかも,習慣性になるとや神経系統に作用し障害を与える毒性がある。
特に蒸気状態による呼吸器官を経る場合が多く,人体に及ぼす毒性は次の3種類に分類される。
①刺激作用
容剤蒸気が粘膜を刺激し,目,鼻,のどなどに障害を与える。
② 麻酔作用
多くの溶剤蒸気は体内に入ると中根神経に作用し,胃痛,耳鳴りなどを起こし,これが激しくなると興奮,めまい,卒倒を起こし生命の危険を生ずることがある。
一般に,この麻酔作用は持続性がないから新併な空気を呼吸することで回復するが,中毒性がある。
シンナー遊びなどの悪用はこの作用によるもので,キシロール,トルオールなどの最も多く使用される静剤にこの現象が多い。
③ 特殊毒作用
溶剤の刺激作用および麻酔作用を強く受けたり,長期間定期的に受けたりすると一般に心臓,肝臓,腎臓などに障害を起こす場合がある。
このように塗料に用いる溶剤はその毒性,燃焼』陀がそれぞれの溶剤の種類によって呉なり,塗料容器にはその内容を明記することになっており,管理上十分に注意をする必要がある。
溶剤の燃焼性
溶剤は主に石油化学製品であり,その燃焼性は非常に高しその性質を知るのに引火点と爆発限界をあげることができ,溶剤の種類によってそれぞれは異なる。
① 溶剤の引火点
引火点とは,溶剤が蒸発しその蒸気が空気と混合して裸火を近づけたときに燃えだす最低温度をいい,その温度は一般に低く,塗料に最も多く用いられるトルオールで 7℃,そしてラッカーシンナーに用いられる酢酸エチルで-2℃という低温でも引火する危険な性質をもっている。
② 溶剤茶気の発限界
溶剤の蒸気が空気と混合され,その混合物に点火された場合燃焼が続くようになるには溶剤と空気どの組成が一定範囲肉にあることが必要で,この範囲を爆発限界どいい,この場合の最高濃度を示す値を上限(%)どいい最低限度を下限(%)という。
すなわち,塗装作業中これらの濃度範囲にならないよう換気が必要となってくる。
塗膜として残らない成分 塗膜助要素
塗脱助要素は,塗料を液体状態にし,塗装作業を容易にし,塗装後乾燥・硬化過程において大気中に蒸発し,その目的を達成し終わる成分で,一般に,溶剤とか塗装の段階に適性に粘度に調整するのに用い
る「うすめ液(シンナー)-」をいう。
最終的に塗膜になった場合には必要のないこれら器剤類が,塗料においては重要な構成材料の 1つであり,良好な塗膜ができるかどうか決定づけるものであると言っても過言ではない。
うすめ液ももちろん溶剤からできているが, 1容剤の定義は「物質を溶かことのでる液体」と言われ,
一般には水に溶けない油脂,合成樹脂などを溶かし,均一な溶液をつくるものである。
しかし,1つの溶剤がすべての合成樹脂を溶解できるのではなく,それぞれの合成樹脂に適合するものとしないものがあり,溶解力のあるものを真溶剤といい,溶解することを助けるものを助溶剤,そして溶解することはできないが,混ぜることの出来る溶剤を希釈剤といい,合成樹脂の種類によって,それぞれ異なった種類の溶剤を組み合わせて溶剤を適合させている。
そのため,一般にシンナーは,その樹脂塗料の特有のものであって他の塗料に用いることはできない。もし,用いた場合は溶解不良を生ずることがあり,色分離を生じたりする。
溶剤の蒸発速度はその種類によって異なり,また,外気の温度,湿度によっても変化し,あまり蒸発速度が速いものは,作業性が不良になるばかりか,乾燥過程において,白化現象〔ブラッシング〕を生ず
る原因ともなりやすい。
塗料が,危険物で‘あり毒性が強いものとされる原因はこの溶剤によるものでありヲ溶剤の種類によってそれぞれの特性を十分に確認して,作業の管理をしなければならない。
安全管理については法的な面も合め注意が必要であるが,溶剤の一般性状から示すと次の事項があげられる。