塗装工事とは

塗装工事の目的その1


建築に対する材料、工法が次々と新しく研究・開発されていく中において、塗装工事は、建設工事における総工事費用の予算比率が低い専門工事部門の1つであるが、その目的は非常に重要な役割を担って
いる。
特に塗装の基本的操作である「塗る」ということが、建築における現場での生産工程に適合するものとして、建築技術、工法の研究開発の推進、建築の計画設計の創造性の拡大、建築物の生産コストの低減、そして生産性の向上等に塗装工事の多様性がその効果を大きく発揮している。
塗装工事の目的はその塗料の品質とあいまって、建築物の美装と保設という大きな目的の達成のほかに最近では防水、断熱などの機能を被塗面に与える多機能性が求められるに至っている。
塗料の定義を示すと「塗料とは流動性(夜体)をもち、物体の表面に塗り広げられ(塗装)て薄い膜なり、乾燥するとその面に固着し,その物体の保護,美装およびその他の性能をもった(個体)となるものをいう」ということができる。
物体の保護とは,防食,防汚,防湿,防水,耐泊,耐薬品性などをいい,美装とは色彩,光沢,模様などを変化させる能力が物体を美化することである。
その他の性能として塗膜に種々の性質(耐熱,防火,防かび,など)や機能(温度指示,危険標示,標識)をもっ塗料をいう。
このように塗料の目的は各種の盤料の開発によってますます複雑化しているのである。

塗装工事の目的その2


塗装工事によって千早られる生産物としての塗!院は建設工事の他の工事と比I院して多くの特性をもち,その特性が塗装の目的を達成するものであって,それを十分に理解した対応が必要であり,その特性を示すと次の事項があげられる。

①塗膜はミクロの単位で巨大な建築物を美装,保護している。
建築生産の中において,その生産物がミクロ単位でその目的を達成しているのは多くの建材の中で塗脱のみであり

1回塗りの工程で得られる塗脱の厚みは 20~30ミクロンの単位であり,所定の塗回数を塗装しても, 100ミクロンの単位程度である。
このことは,塗膜は非常に巨大な力をもっている反面,その塗装工事の良否が,端的に現われるもので,施工のときの管理が重要であるといえる。

②塗装工事はう生産の;場で,その形体を変化させる。
建築工事の中でその生産段階で変化の大きいものは,コンクリート工事にならんでこの塗装工事であって,液体状態を固体状態に変化させるもので,すなわち,塗料という液体を塗装という生産行為によって,塗肢という固体に変化させるものであるが,この変化が自然の力である空気,熱エネルギ一等により,化学的または物理的に変化を生じさせ,日的の塗膜を得るものである。
この変化を一般に乾燥@硬化として表現しているがこの場合においても,その条件は非常に多種多様で,それぞれの塗料に個性があり,ぞれらに十分マッチした条件を与えていく必要がある。

③塗膜は有機化合物が中心である。
建築工事において?有機化合物を使用する他業種には,防水等がかIわってきたが,最も歴史があり,それなりに態勢がとられているのが塗装工事である。
建築工事においては,コンクリート,鉄骨をはじめその主流は無機質が中心であるが,その中において塗料が有機質の代表となっており,その生産における品質,工程,安全等の管理形体をはじめ,その取り扱い自体が異なっている。

④塗膜はライフサイクルをもつがその目的達成は制限の力をもつ。
工場で生産された塗料は建設現場等における塗装という生産行為によって塗肢が生産され,その目的を発揮しながら,耐久性を保持していく。
このライフサイクルにおいて,有機物である塗脱は必然的に耐久力に限界があり太陽エネルギー,雨,風等の外力により,劣化現象を生じていく有限なものである。
しかし,塗j民は他の建築材・料とは具なった大きな特性をもち,その特性によって塗装の目的を多方面に発揮することができる。
塗膜は容易に交換,再生することのできる塗替え工事によってその目的を発揮するものである。
塗膜のライフサイクルにおいて?ある程度の劣化時点に対して,新しい塗料を塗り重ね,塗替え等により塗装の目的を失うこ
となし塗i院は再生され,新しいライフサイクルを出発することができる。
この繰返しによって,塗膜厚さがミクロン単位であることの特性が生かされ,建物が存在する限り,また,防鋪,中性化防止等の保護機能を発揮し,それ以上の建物の存在を延長させる力すら発揮することとなる。

⑤ 塗料・塗装の目的は多目的である。
他の建材はその目的は単一な場合が多く,たとえば,防水は防水のみをまた左官は左官のみを,タイルはタイルのみとしての目的を達するだけであるが,塗装という作業によって,各種塗料が,それぞれの目的に応じた性能を被塗物の表面に与える。